運動不足の40代は要対策!メタボより本当に怖い「ロコモ」
運動不足の40代は要対策!メタボより本当に怖い「ロコモ」
ロコモは「ロコモティブ(Locomotive)シンドローム」(運動器症候群)の略。
Locomotiveは「運動の」という意味(機関車という意味もある)で、
骨や筋肉、関節など体を動かすために必要な「運動器」を表す。
運動器は加齢によりその働きが衰えるため、歩く、立つなどの移動能力が衰え、生活の自立度が低くなる。
その結果、介護が必要となってしまう。
ロコモのためにメタボになって血管障害を併発したり、認知症を併発したりすることにもなるという。
つまりロコモとは、「現在は自立できているが、
近い将来、要介護になる危険性が高い症状を持っている状態や、
すでに要介護になってしまっている状態」を表す言葉ということになる。
40代男女の5人に4人が“ロコモ予備群”!?
「要介護」「要支援」という言葉を聞いても、働き盛り世代にはまだまだ遠い先の話に思え、ピンと来ないかもしれない。
しかし文科省による新体力テスト調査の結果(平成21年度)では、男女ともに40代後半から体力が低下することが判明。
“ロコモ予防”は40代からの対策が必要であることが明らかになった。
現在、ロコモは予備群を含めると約4700万人といわれるが、
40歳以上の男女の5人に4人が“ロコモ及び予備群”と推定されているのだ。
日本整形外科科学協会では、ロコモティブシンドロームの「自己チェック項目」を公表。
7つの項目のうち1つでも当てはまるとロコモティブシンドロームの可能性があるとされている
(「ロコモ チャレンジ! 推進協議会」下記にウェブサイト掲載してます)。
この自己チェック項目にあてはまらなかったとしても、安心はできない。
このチェック項目は「今現在すでに運動器がかなり衰えている人」がターゲット。
これは、これまでのロコモ対策は
「要介護の一歩手前の人が寝たきりにならずに自立していくために何をするべきか」が狙いだったためだ。
しかしこれからはその前の世代、今まさに働き盛りの人にロコモ予備軍にならないことが重要という考えが広がっている。
そのために日本整形外科学会では、健康な人が「ロコモ予備軍かどうか」をチェックできるガイドラインを作成しようとしているとのことだ。
そもそもロコモという言葉が誕生したのは、どのような理由があるのか。
厚労省のデータによると、介護保険制度が導入された2000年度、要介護(要支援)認定者数は256万人だったが、
2012年5月の段階で535万人と2倍以上に増えている。介護が必要になる原因を見ると、
約4分の1が運動機器の障害。要介護認定を受けている人の4分の1(女性は3分の1)、
要支援認定を受けている人の3分の1が運動器の障害が原因というデータもある。
「近年、整形外科の臨床の現場では運動器の障害を持つ高齢者の患者が急増し、対応しきれない状況」(大江氏)という。
脳卒中やがんなど、命にかかわる病気については危機感を感じている人が多く、予防への関心が高い。
しかし運動機器の障害も要介護に直結する危険な障害であるにもかかわらず、
それに気づいていない人が圧倒的に多く、実態と認識に大きなズレがある。
そうした状況に危機を感じた日本整形外科学会が、「多くの人にその危機的状況を知ってもらうためには新しい言葉が必要」と考え、
2007年に「ロコモティブシンドローム」という言葉を作って発表したという。
ロコモは「筋力の衰え」から始まる
大江氏によると、ロコモの3大原因は
(1)筋力低下(2)バランス能力低下(3)運動器の疾患 だという。
最近、「筋肉が減ってきた」「転びやすくなった」などの心当たりがある人は、
もうロコモの入口に立っているといえる。
なかでも女性は男性に比べて骨も筋肉も弱いので、ロコモになりやすいという。
「ロコモは女性の病気といえるかもしれない」(大江氏)というほどなので、要注意だ。
(3)の「運動器の疾患」でロコモの原因となる3大疾患は
「骨粗鬆(こつそしょう)症」「変形性関節症」「脊柱管狭窄(せきちゅうかんきょうさく)症」。
このうち、脊柱管狭窄症(背骨の内部の神経が圧迫されて足腰のしびれや痛みが出る症状)は悪化する原因がよく分かっていないが、
「骨粗鬆症」「変形性関節症」は若いころから気を付けていれば予防したり改善したりすることができるという。
ロコモは、「骨」「関節」「筋肉」それぞれの働きが加齢によって低下することから始まる。その順番は以下の通り。
加齢により筋肉が減少し、骨強度が低下していく↓筋肉は骨と関節を支えているので、
筋肉が減少すると関節に過剰な負担がかかり、痛みを伴うようになる↓骨量が低下しているうえに筋肉のサポートがなくなるので、
ささいなことで骨折しやすくなる↓歩行困難になる↓運動不足により、健康状態が悪化↓介護が必要になる
つまり、ロコモの入口である「筋肉の衰え」「骨強度の低下」「軟骨の摩耗」を食い止めれば、ロコモは予防できることになる。
そのためにはどうしたらいいのか。
横断歩道を青信号で渡りきれない?
筋力は何もしないと加齢とともに確実に減少する。
最大の理由は、大人になると大半の人が運動習慣から遠ざかってしまい、子供のころに備わっていた筋肉が失われてしまうこと。
なかでも衰えやすいのが、速い大きな動きをする下半身の筋肉(ひざから上)だが、これは運動など普段の生活習慣による個人差が大きい。
80歳ではその差が約3倍にもなるといわれている。
例えば、肺活量などは元気な人と寝たきりの人でも3倍までは差がつかない。
40歳以降の過ごし方で高齢になってから大きく差がつくのが「筋肉」なのだ。
筋力の衰えが最も分かりやすいのは「歩行速度」。
現在のロコモのチェック項目のひとつに「横断歩道を青信号で渡りきれない」というのがある。
日本の横断歩道の青信号が点灯する時間は1メートルにつき1秒であることが多い。
つまり15メートルの横断歩道なら15秒で青信号が変わる。
これが渡りきれないということは、歩く速度が秒速1メートル以下ということ。
「最近、歩いていて若い人に追い越されることが多くなった」と感じたら、足の筋力が衰えている証拠だ。
筋肉の衰えを自覚しているならば、体を動かすように生活改善をしないといけない。
働き盛り世代だと「スポーツをしたくても忙しくて時間がとれない」と人が多いが、大江氏によると
「日常の活動強度を上げるだけで、運動に匹敵する効果があることが分かっている」とのこと。
「例えば、駅や会社でエレベーターを使わず階段を使う、速足で歩くという程度でもいい。
何もしないと、後になるほどツケが回ってくる」(大江氏)。
食事も大事だ。筋肉はタンパク質などの材料がないとつかない。
また運動をすると筋肉でエネルギーを燃やすので、運動をしてもたんぱく質が不足すると、筋肉はむしろ減少してしまう。
良質のたんぱく質をしっかり摂ることを心がけたい。
筋肉をつけるには1日に60~70gのたんぱく質を摂ることが必要だが、この量をしっかり摂るのはなかなか難しいという。
※「筋肉の衰え度」自己チェック法オフィスのイスに座った状態で両手を胸にあてたまま、片脚で立ち上がる。
これで、体重と脚の筋力のバランスが分かる。
イスが低いほど筋力が必要になり、オフィスのイスはだいたい45センチ程度。
パイプイスは40センチ程度。オフィスのイスから立ち上がれないようだと、
脚の筋力がだいぶ落ちていることになる 「骨密度の低下」をどう防ぐか
骨がスカスカになってもろくなる「骨粗鬆症」は命にかかわる病気ではないため、軽く見られがち。
だが、「柔道やレスリングの試合を見ても分かるように、本来骨というのは丈夫にできていて、
少しくらいの圧力が加わったくらいでは折れないもの。
普通の生活をしていて骨が折れたりひびが入ったりする人は、すでに“危機的な段階”といえる。
例えば、高血圧の人にとって脳血管がつまるのが危機的な段階であるのと同じと考えてほしい」(大江氏)。
特に女性は40代後半から骨にカルシウムを吸着させる働きがある女性ホルモンが急激に減少するため、
閉経後は骨のカルシウム吸収力が低下し、骨粗鬆症になりやすい。
骨粗鬆症の人は骨が折れやすい順番があり、50代では手首、足首。
そのときに骨粗鬆症の治療をせずに放置すると60代では背骨や脊椎が折れやすくなり、
70代では太ももの付け根が折れやすくなる。
そうなるともう歩行困難なので、寝たきりになる場合が多いという。
「疫学的な統計を見ても、1回骨折をした人は2回目の骨折をする危険性が約2倍。
高齢者では3倍以上になる場合もある。ちょっとしたことで骨折し心当たりがある人は、
自分の骨密度を測定する必要がある」(大江氏)という。
怖い話が続いているが、明るいニュースもある。ここ数年で骨密度の検査法は飛躍的に進歩し、
保険診療で受けられる「血液検査」で骨のカルシウム吸収と排出のバランスまで分かるようになった。
またその人のカルシウムの出入りのタイプ、骨粗鬆症の重症度に合った治療薬もできている。
だからちょっとした衝撃で骨折したような場合、骨密度を測定したほうがよさそうだ。
骨折すれば医者にかかるのだから当然骨密度は測定してくれるように思うが、そこに落とし穴がある。
高齢者であれば骨粗鬆症を疑って骨密度を測定するが、若い人だと単に骨折の治療だけで終わることも多い。
40~50代はグレーゾーンで、医師がロコモに関して認識が低い場合は、骨密度までは調べない場合もあるそうだ。
だから医師任せにしないで、自分から積極的に骨密度測定を依頼することが必要なのだという。
また病院でもらう薬にだけ頼るのではなく、運動も必要。骨は人体の中では非常に重量のある器官なので、
脊椎動物はその必要性に応じて骨の強度を調節している。
簡単にいうと、動きまわるときにラクなように必要最小限の骨を保持する仕組みになっていて、
普段使わない部位の骨はどんどん減少していく。
このため無重力状態で長期間生活をした宇宙飛行士は、例外なく骨粗鬆症になっているという。
やせすぎの人は骨にかかる圧力が小さいので、強度が弱くなる傾向がある。
若いころから運動をする習慣があり、やせていても骨に圧力を加える生活をしている人は問題ないが、
BMIが19未満で運動の習慣がない人は注意が必要だ。
骨の強度アップもまた食事がポイントになる。
骨の強度を決めるのはカルシウムだと思われているが、それだけではない。
カルシウムを骨に結びつけるコラーゲン(たんぱく質)の量や質も関わっている。
筋肉だけでなく骨を作るためにも、カルシウムとともに良質のたんぱく質をしっかり摂ることが必要だ。
※「骨折のしやすさ」自己チェック法軟骨の摩耗による痛みをどう防ぐか
筋肉や骨と比べて難しいのが、一度減ってしまうと増やすことができない「軟骨」だ。
中高年にはグルコサミンのサプリメントが人気だが、関節の軟骨には血管がないので、栄養を補給しても届かないという。
ではどうやって軟骨に栄養を補給しているかというと、
関節の中にある水分が動いたときの重力によって軟骨に浸透し、栄養分が染み込む。
つまり軟骨は動かさないと減る一方だが、動かし続けることで摩耗を食い止めることができるということだ。
さらに筋肉をつけることで関節に加わる衝撃を調節し、痛みを和らげることができる。
つまり関節を動かし続けて負荷をかけ栄養を補給すること、適度な運動で筋肉をつけることで摩耗による痛みを抑えられるのだ。
膝が痛いからといって動かずにいると少しの動きでも痛みを感じるようになってしまうので、
できる範囲でストレッチなどを行ったほうがいいという。ただし痛みが続く場合は、無理に運動を続けずに医師に相談すること。
※「関節の軟骨摩耗リスク」自己チェック●リスクが高いのは「BMIが25以上の人、特に30以上ではさらに危険が高い」。
腰やひざに大きな負担がかかり続けているため、軟骨が摩耗しやすい●若いときにひざの靭帯や半月板に大きな損傷を負った人。
ひざの靭帯が切れたままになっていて、ひざ痛に慣れてしまっている人は意外に多い。
ひざや腰の関節が不安定な状態が続いているのに酷使し続けると、
変形性関節症に進む確率が高くなる今なぜ「ロコモ対象者」が増えているか
それにしても今、なぜロコモ対象者が急増しているのだろう。
大江氏によると「延び続ける平均寿命に運動器の寿命が追いついていないため」という。
平均寿命が60歳前後だったころは運動機能が衰えると同時に寿命が尽きていた。
今は100歳以上の人が5万人以上いるなど長寿化しており、運動器が衰えてからの寿命が長い。
また誤解して憶えている人が多いが、いわゆる「平均寿命」とは出生時、つまり0歳時の平均余命のこと。
2012年の日本人の平均寿命は83歳だが、
これは2012年に誕生した人が(死亡率が現在のままだと仮定した場合)平均して83歳まで生きられるということを示している。
ということはつまり、現在の70代、80代の半分以上が平均寿命より長く生きる計算になる。
そして現在の40代が高齢になるころには、寿命はもっと延びていることが予想される。
「人生60年」ではなく、「人生100年」時代に突入しているかもしれない。
早くから運動器の手入れを始めないと、100年も持たないのは自明の理だ。
替えがきかない自分の体を少しでも長持ちさせたいならば、まだ傷みが少ない40代からのケアが必要不可欠というわけだ。
また、大江氏は「急激に便利になっている生活環境もロコモ急増の大きな要因」だという。
ここ数年でエレベーターのない駅が少なくなり、ネットで買い物ができるのでコンビニにさえ行く必要がない場合もある。
また週休2日が広く定着したのに、結局は家で過ごして体を動かさない人が多い。
「日本人の生活の活動レベルは確実に落ちている。
『健康日本21』の第一次の目標のひとつは、『日常生活における歩数の増加』で、
“当面10年間の目標として男女とも歩数の1000歩増加を目指す“とされていたが、実際はこの10年間で1000歩ほど減少している。
それが筋肉の衰えにつながっている」(大江氏)。
しかし悲観することはない。40代であれば、ロコモ予防には十分間に合う。
「骨は運動と栄養に気を付ければ、数カ月で健康な骨に入れ替わる。
筋肉は3週間で変化が実感できる」(大江氏)。
大江氏はまず1日1回のスクワットを3週間続け、エレベーターを使うのを止めてみることを勧めている。
それだけでも筋肉の変化を実感できるそうだ。筋肉の衰えを防ぐことが、誰にでも今すぐできるロコモ予防の第一歩といえる。
働き盛り世代がロコモへの理解を深めることのメリットは、ほかにもある。
まさに「ロコモ世代」まっただ中である「親」の予防ケアができることだ。
都会で働き、地方にいる年老いた両親と離れて暮らしている人も多い。
遠く離れた老親が、介護が必要な体になることの不安は大きいだろう。
そこで高齢者が継続してロコモ予防トレーニングを行うために、
同居していない家族が電話を使ってサポートする「ロコモコール」という方法を実践している自治体もある。
山形県天童市ではひとり暮らしの高齢者宅に電話をかけ、
その場で毎日ロコトレを行ってもらうという取り組みを行ったところ、運動機能向上の効果があったとのこと。
「親に電話をしても特に話題がない」という人も、ロコトレをサポートすることでコミュニケーションにもなり、一石二鳥かもしれない。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121011-00000002-trendy-ind
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ロコモ チャレンジ! 推進協議会
ロコチェック7問⇒ http://www.locomo-joa.jp/check/
健康業界にいて間違いなく言えるのは
ロコモに対して、運動不足の方は油断し過ぎです。
ロコモは高齢化と比例して確実に増えていきます。
本人だけでなく、その家族へも大きく影響します。
介護の大変さは周知の通りです。
寝たきりで10年は耐えきらんです!
なので、いつもウォーキングを推奨し、私も毎日やっているのです。
ε=ε=ε=ε=┏( ̄∇ ̄)┛ウォーキングで自分も家族も介護いらず♪
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いつも読んで頂いている貴方に心から感謝です☆彡
健体康心 金薬(KINYAKU)